2010.6.23

I can’t live without wall.

目の前に壁がある。

色とりどり、いろいろな形のホールドが付いた壁がある。

登らない事だってできるぞ。

お前はどうする?

俺は、俺の腕が俺の指が、俺の肉が俺の血が、俺自身が登れると言う。

登る。

チョークを手に馴染ませる。よく馴染ませる。

スタート地点のホールドを両手で掴む。

両足もしっかり爪先で。

右手を離し次のホールドへ。

掴む。

左手も同じホールドへ。

しっかりホールドできねぇ。

指先でしか体を支えられない。

肉がのびる。

指の第一と第二関節が誰にも聞こえない悲鳴を上げる。

すぐさま次のホールドへ。

右手を伸ばす。

体が捩じれる。

ホールドの感触を感じた。

ザラザラしてて、ちょっと力をいれてやれば掴めるホールドだった。

落ちた。

腕がパンパンになってる。

血が疲労を運んできた。

指が伸びきって関節が痛む。

掴めなかったホールドを眺める。

綺麗な緑色のホールドだ。

俺のチョークが白く残ってる。

ザラザラしてたな。

手にまだあの感触が残ってる。

俺は腕を伸ばしてホールドを掴む。

あの緑色のホールドは俺の心を掴んで離さない。

来週の木曜日にまた来よう。

その時はオマエをしっかり掴んで、また次のオマエを掴んでやるんだ。

オマエが相手なら永遠に続くこのLOOPも苦じゃないかもな。

ザラザラしてたな。