Archive : 6月, 2010

2010.6.24

目は口ほどにものを言う

大御所の写真家が道端の雑草を撮ってる。
センス抜群。

お前は何してんだ?と眼鏡の越しの写真家の目が言う。
俺に残されてる時間はそんなに多くはないぞ。


2010.6.23

I can’t live without wall.

目の前に壁がある。

色とりどり、いろいろな形のホールドが付いた壁がある。

登らない事だってできるぞ。

お前はどうする?

俺は、俺の腕が俺の指が、俺の肉が俺の血が、俺自身が登れると言う。

登る。

チョークを手に馴染ませる。よく馴染ませる。

スタート地点のホールドを両手で掴む。

両足もしっかり爪先で。

右手を離し次のホールドへ。

掴む。

左手も同じホールドへ。

しっかりホールドできねぇ。

指先でしか体を支えられない。

肉がのびる。

指の第一と第二関節が誰にも聞こえない悲鳴を上げる。

すぐさま次のホールドへ。

右手を伸ばす。

体が捩じれる。

ホールドの感触を感じた。

ザラザラしてて、ちょっと力をいれてやれば掴めるホールドだった。

落ちた。

腕がパンパンになってる。

血が疲労を運んできた。

指が伸びきって関節が痛む。

掴めなかったホールドを眺める。

綺麗な緑色のホールドだ。

俺のチョークが白く残ってる。

ザラザラしてたな。

手にまだあの感触が残ってる。

俺は腕を伸ばしてホールドを掴む。

あの緑色のホールドは俺の心を掴んで離さない。

来週の木曜日にまた来よう。

その時はオマエをしっかり掴んで、また次のオマエを掴んでやるんだ。

オマエが相手なら永遠に続くこのLOOPも苦じゃないかもな。

ザラザラしてたな。


2010.6.22

2010-06-21T19:09:40.58+09:00

夕焼けが綺麗だった。
Hasselbladに120mmで一枚、50mmで2枚撮る。
もうあの時間は終わってた。
D700に20mmで2枚撮る。
すっかり終わった。

この時間が好きだと妻が言った。
そんな彼女を撮った。


2010.6.21

我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか

ふと、そんな事を考えている時に見た事もない虫が飛んできた。
手元にあったG10を手にシャッターを押す。
押す、押す、押す。
構図を変えてまた押す。

虫が飛ぶ。
狭い部屋を追いかけてまたシャッターを押す。
露出を変えて押す。

逃げてしまう。
シャッターを押せ。
さっきまで考えていた事なんか忘れてしまった。

虫が窓の外に飛んで行った。

あいつはどこから来たのか あいつは何者か あいつはどこに行くのか


2010.6.5

野良猫

ヤツは独りだ。
いつも独りだ。
仲間はいない。

ヤツは独りで死ぬつもりだ。

アイツの事を知りたかった。
アイツは独りで死ぬつもりだ。

俺はお前が死ぬところ見届けさせてもらうよ。
アイツが独りで死んでしまう。